ロコへの道~スリッパーズを履きこなせ編

ロコが幼児の頃から慣れ親しんでいるスリッパーズ。スリッパーズを履きこなせれば、また一歩、ロコへの道が近づいてくる!

半袖シャツ(この方はナイキ)にショーツ、そしてスリッパーズでロコの完成!

半袖シャツ(この方はナイキ)にショーツ、そしてスリッパーズでロコの完成!

アロハ~、ハワイナビです。
ロコのユニフォームといえば、半袖シャツかタンクトップに、ショーツ、そしてスリッパーズ。
「スリッパーズ?」
ココで「スリッパーズ(slippers)」がなんであるか、わかったアナタはハワイ通! いわゆるビーサン(ビーチサンダル)、いわゆるトング式(鼻緒式)サンダルのこと。このタイプのサンダル、アメリカ本土では「フリップフロップス(flip flops、flip-flops)」と呼ばれるのがフツーらしいんですが・・・なぜかハワイではスリッパーズ。
*ここでは複数形で呼んでいますが、単数形は「スリッパー(slipper)」「フリップフロップ(flip flop、flip-flop)」
アメリカ本土ではモカシンなど、スッと滑るようにして履ける室内履き/外履きタイプを「スリッパーズ」と呼ぶんですが

アメリカ本土ではモカシンなど、スッと滑るようにして履ける室内履き/外履きタイプを「スリッパーズ」と呼ぶんですが

ハワイにおける「スリッパーズ」といえばコレ。トング(鼻緒)式サンダル

ハワイにおける「スリッパーズ」といえばコレ。トング(鼻緒)式サンダル

ロコとスリッパーズ

履き古してアブラののった(?)リアルなスリッパーズを直接お目にかけるには忍びなく、毒消しに犬を配置してみました

履き古してアブラののった(?)リアルなスリッパーズを直接お目にかけるには忍びなく、毒消しに犬を配置してみました

ロコのお宅に人が集まると・・・玄関先にはスリッパーズが勢ぞろい、するわけなんです。
多くのロコのお宅では、日本式に玄関で靴を脱ぐスタイルです。ただしほとんどのお宅は、玄関に上り框(あがりがまち・あがりかまち)があるわけでもなく、靴収納棚もありません。(靴収納は、寝室やウォーキングクローゼットにあるのがアメリカ式家屋)
で、どうなるかというと、玄関ドアの内側か、あるいは外側に、スリッパーズがズラリと並ぶことに。
カイルア・ファーマーズマーケットにて。8名分の足が写っていますが、うち6名がスリッパーズ(1人はサンダル)

カイルア・ファーマーズマーケットにて。8名分の足が写っていますが、うち6名がスリッパーズ(1人はサンダル)

ロコがあんまり気楽に、心地よさそうにスリッパーズを履いているので、「お、ラクそう。ハワイ滞在中はビーサンで通すか」なんてビーサンを履いてみたところ・・・足の親指と人差し指の間が痛くなってしまった、という経験を持つ方もいるのでは? ふだん着なれない、着物や浴衣に合わせて草履や下駄を履くと、やはり、同じ部分が痛くなりますよね。コレってやっぱり慣れ。ロコの場合、なんといってもスリッパーズ歴が長い! 多くのロコは幼児の頃から履き続けているんですから。
その場では気づきませんでしたが、あらためて写真を見ると、写っている6名すべてがスリッパーズ!

その場では気づきませんでしたが、あらためて写真を見ると、写っている6名すべてがスリッパーズ!

といっても、慣れるのに別に何十年も必要ないです・・・足の親指と人差し指の間が痛くても、ちょっとずつ間隔を空けて、1週間から10日くらい履いてみれば、スッカリ慣れて、「あ~、足指が自由になるのがラク。ビーサン万歳!」になれるハズ。スリッパーズに慣れてくると、足の甲をカバーするタイプのサンダルが逆に窮屈になってきます。
スリッパーズでそのままワイキキ・ビーチに

スリッパーズでそのままワイキキ・ビーチに

それにしても、どうしてロコの間にこんなにもスリッパーズが浸透しているのか・・・は、特に文献等を調べなくても、ごくごく常識的に行きつく先は、「常夏の気候」「ビーチで便利」「安価」、そして「草履や下駄履きに慣れ親しんでいた日系移民が広めていった」といったところではないでしょうか? また、古代ハワイアンはティリーフで編んだサンダル(下の写真)を履いていたそう。過去のハワイアンにとっても、スリッパーズは身近に感じられるものだったのかもしれませんね。
魔除けになるといわれ、家屋の玄関口に植えられることが多いティリーフ

魔除けになるといわれ、家屋の玄関口に植えられることが多いティリーフ

薬草、料理、フラスカートなど、さまざまな用途を持つティリーフは、サンダルの材料にもなっていました(写真提供 ビショップ博物館)

薬草、料理、フラスカートなど、さまざまな用途を持つティリーフは、サンダルの材料にもなっていました(写真提供 ビショップ博物館)

ロコはスリッパーズをどこで買うのか?

「ロングス・ドラッグス」の一角で販売されているスリッパーズは5ドル以下

「ロングス・ドラッグス」の一角で販売されているスリッパーズは5ドル以下

スリッパーズは、地元のスーパーやドラッグストア、大手ディスカウントストア、デパートや、靴専門店、サンダルショップ、スイムショップ、サーフショップ、ブティックなど、ハワイの数多くの場所で販売されています。なんといってもロコのライフスタイルには欠かせないモノですから。
サーフショップのスリッパーズ売場

サーフショップのスリッパーズ売場

スリッパーズとひとくちにいっても、そのスタイルやクオリティは多種多様。
スーパーやドラッグストア、ディスカウントストアで販売されている1ドル99セントのペラペラ(質、履き心地ともに)スタイルから、サーフショップにある「ボルコム」「クイックシルバー」「ロキシー」など、若いコに人気のサーフファッションブランドによるもの。靴専門店で手に入るアーチサポートがしっかりした革製の高級品(80ドル前後)。また、デパートではデザイナーズブランドものも手に入ります。
「ノードストローム・ラック」でもスリッパーズはメンズ、レディースともに人気

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アラモアナ・センターの「ノードストローム」で見かけた高級ブランド、トリーバーチのビーサン

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カハラ・モールのカード&雑貨ショップ「ホールマーク」では切り抜き式のキャラものも

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笑っちゃう「コレでキミもゾンビの足に!」カイムキの「トイズン・ジョイズ」で発見

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梯子に乗るのもスリッパーズで

梯子に乗るのもスリッパーズで

同じようにスリッパーズをこよなく愛するといっても、いろいろなロコがいるわけで。
安さが一番! 安いモノを履きつぶせばいい! と、1ドル99セントで買ったスリッパーズを愛用するロコもいれば、身近なショップやデパートで、あまりこだわりなく、それなりに気に入ったほどほどの値段(20ドルから40ドル前後)のモノを買っていくロコ。もちろん、行きつけの「グッチ」や「プラダ」「ラルフローレン」等で、目についたスリッパーズ(ゴム製の19ドル95セントから革製の325ドルまで)を「これももらっておこうか」と、色違いで揃えたりするリッチなロコもどこかにいるかも・・・いないかも。
岸壁だってスリッパーズで(この方たちはロコじゃなくツーリストかも)

岸壁だってスリッパーズで(この方たちはロコじゃなくツーリストかも)

ちょっと話はそれますが、ハワイって、着ている洋服でそのヒト(主に男性の場合)の経済状態がわからないんですよ~。穴の開いたタンクトップ*に、ダメージ加工なのかただ古いのか不明のショーツ、なんちゅーこともないスリッパーズ、というカッコでも、実は会社を経営しているリッチ層だったりして。ハワイでは服装で人を判断しないようにしましょう!
*なぜか、少なくないロコが、穴の開いたTシャツやタンクトップを平気で着ます。

中には「絶対コレ」と決めて、長年、同じメーカー、同じタイプのスリッパーズを履き続けるロコもいます。
バイク(自転車)に乗るのもスリッパーズ! 写真には撮れませんでしたが、フリーウェイを走るオートバイでもスリッパーズのロコは少なくありません

バイク(自転車)に乗るのもスリッパーズ! 写真には撮れませんでしたが、フリーウェイを走るオートバイでもスリッパーズのロコは少なくありません

子供もティーンも大人も、とにかくみんなスリッパーズ!(カイムキタウンのストリートフェスティバル会場)

子供もティーンも大人も、とにかくみんなスリッパーズ!(カイムキタウンのストリートフェスティバル会場)

ロコとハワイ通のお気に入りスリッパーズ!

コレが「アイランド・プロ」だ!(「ザ・アイランド・スリッパー・ストア」)

コレが「アイランド・プロ」だ!(「ザ・アイランド・スリッパー・ストア」)

ナビの知り合いに、50代の生粋のローカル男性がいます。特にオシャレとか服装にこだわりがあるといったタイプではありませんが、スリッパーズには一家言あるんです。
「アイランド・プロしか履かない」
ま、そう言いつつも、日常、もっと安めのスリッパーズも履いているらしいところが、ロコらしいというか、ハングルースというか・・・。だけど、これぞという機会(アラモアナ・センターなど「都会」へのお出かけや、ホームパーティーなど)にはお気に入りのよそいき「アイランド・プロ」を履いていくわけです。
一番左が50代ローカル男性の、右がアラフォー日本人男性の愛用スリッパーズ

一番左が50代ローカル男性の、右がアラフォー日本人男性の愛用スリッパーズ

もう一人、ハワイ旅行のリピーターであるナビの知り合い。こちらはアラフォーの男性。
大学時代初めてハワイを訪れたとき、たまたま購入したスリッパーズが気に入って、日本へ戻ってからもダメになるまで大事に履いていたそう。以来、ハワイへ来るたびに同じものを探していたけれど、買った場所も定かでなく、メーカーやブランド名も覚えていない。また、それというのがローカル男性がよく履いているシンプルな黒いラバー製のタイプ。履き心地は別として、外見上は似たタイプがいっぱい出回っているんですよネ。数年かけてやっと見つけたのが「アイランド・プロ」だったとか。
ワード・ウェアハウスにある直営店「ザ・アイランド・スリッパー・ストア」

ワード・ウェアハウスにある直営店「ザ・アイランド・スリッパー・ストア」

えーっと、ナビが特別に「アイランド・プロ」の宣伝をしているわけじゃなく、実話、なんです。
その「アイランド・プロ」を製造しているのが、「アイランド・スリッパー」。1946年に日系移民のモトナガ夫妻が創業したハワイで最も古いスリッパーズ製造メーカーです。
「アイランド・スリッパー」の商品は、ハワイの「シアーズ(デパート)」各店や、サンダルショップ等で取り扱っていますが、種類が一番そろうのは、なんといってもワード・ウェアハウスにある直営店「ザ・アイランド・スリッパー・ストア」。
メンズとレディース(ヒールなし・あり)スリッパーズがズラリ

メンズとレディース(ヒールなし・あり)スリッパーズがズラリ

リゾートファッションにピッタリなオシャレなタイプも多数

リゾートファッションにピッタリなオシャレなタイプも多数

トング式じゃないサンダルも・・・

トング式じゃないサンダルも・・・

種類は少ないですけど、アリ

種類は少ないですけど、アリ

ローカル男性に人気のタイプは、「アイランド・プロ」のようなラバータイプか、こちらのパニオロ(ハワイアン・カウボーイ)スタイルだそう

ローカル男性に人気のタイプは、「アイランド・プロ」のようなラバータイプか、こちらのパニオロ(ハワイアン・カウボーイ)スタイルだそう

10代の終わりにサンフランシスコからハワイへ移住。地元の靴業界で働いていたジョン・カーペンター氏が、モトナガ・ファミリーから事業を引き継いだのは1985年。カーペンター氏はメンズラインを拡大するとともに、アーチサポートに着眼。クッション性を高め、かかと部分には高低を付けるなどして、機能性と安定性に優れたスタイルを発表しました。これが、「1日中履いていても疲れない」「裸足でいるより心地良い」と、ロコの間で評判に。そうして、前述の50代ローカル男性のようなファンも生まれたわけです。
日本人男性に人気のタイプはカラフルなコチラ

日本人男性に人気のタイプはカラフルなコチラ

撮影中も日本人の若い男のコが、このタイプを選んでいましたヨ

撮影中も日本人の若い男のコが、このタイプを選んでいましたヨ

店内には製造工程のビデオが流れています

店内には製造工程のビデオが流れています

地元情報誌「ホノルル・マガジン」の2012年度ベスト・オブ・ホノルル賞“最上質のスリッパーズ部門”を受賞。デザインから製造まですべてハワイという、正真正銘のメイド・イン・ハワイである点もポイント高し。その分、お値段は、少しお高めですが。(メンズのラバータイプが44ドル95セント。レザータイプは種類によって70ドルから92ドル)でも、オススメです。
1ドル99セントのペラペラスタイルも、ま、ロコらしいといえば非常にロコらしいんですけどネ。でも、「アイランド・スリッパー」なら、「いいスリッパーズを履いているね」と、ロコから称賛されることは請け合いです。「スリッパーズのなんたるかを知っている」「ローカルのスタイルをわかっている」と思われちゃう~。
レディースのこーんなにキュートなスリッパーズも

レディースのこーんなにキュートなスリッパーズも

しかし! 「アイランド・スリッパー」を履いていて、脱ぐ機会があったら要注意(?)。

前述の50代ローカル男性ですが、友人主催のクリスマスパーティーに出かけ、同級生が多く集まっていたこともあり、大いに飲んでエンジョイ。パーティーに残っていた最後の数人になり、やれ帰ろうと玄関へ戻ったところ・・・彼の履いていた「アイランド・プロ」はありませんでしたとさ。しかも、彼のために残っていたのは1サイズ大きいペラペラスタイル。
レディースの場合、ヒールがあると一気にオシャレ度アップ

レディースの場合、ヒールがあると一気にオシャレ度アップ

「誰かがボクのスリッパーズをわざと履いて帰った! 高級品だから盗られた!」と、彼は主張。でも、いくら高級品だからといって、サイズが合わないスリッパーズを履いて帰る・・・? いや、帰るかも。酔っていたのか、故意なのか。ビミョーな酔い加減で「小さい? オレのじゃないみたい」と思いつつ、「でもとりあえず履けるし、カッコいいし。ま、誰のでもいっか」的大らかさ(ハワイ的大らかさ)で履いて帰ったのかは不明ですが・・・。
これも、パーティーにやってきた十数名ほぼ全員のローカル男性がスリッパーズ(黒か茶のラバー製)だったことから起こった事件(?)。スリッパーズはこのように、ロコから愛されているんです・・・。

世界中どこへ旅行しようとも、現地が秋冬以外のシーズンなら、スリッパーズが当たり前のロコは多く、成田や羽田ほか日本の空港にスリッパーズでさっそうと降り立つ人物がいたら・・・それはロコと思ってまず間違いナシ! アナタもスリッパーズで機上のヒトになれば、一気にロコ指数アップです。(たぶん)
以上、ハワイナビでした!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-06-20

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