スピリチュアルに興味のある方もない方もサクッと寄ってみませんか?
アロハ・オウコウ Aloha oukou !(皆さんにこんにちは)ハワイナビです。
日本はいま、未曾有のスピリチュアルブーム(ですよね?)。国内はもとよりハワイでもパワースポット巡りを楽しむ日本人旅行者の方が増えました。
でも、ちょっと待ってください。ハワイのパワースポットってそもそもどんな場所!?
ハワイの島々全体がパワースポット!?
「このあいだ、たまには身体を動かすかと思ってマノア・フォールズ・トレイルを登って、マノアの滝を見てきたんだけどね、結構キツかった!」
単なる近況のつもりで、日本の知り合いにそう話したところ、
「わぁ~、パワースポット!こないだテレビでやってたよ。いいエネルギーがいっぱい出てるんだって?」
深い緑に囲まれた清浄な滝水。悪いエネルギーが出ていようはずもありませんし、森林浴効果はバツグンだと思いますが、マノアの滝がパワースポットだなんて、そんな話初めて聞きました。
実はローカルの人々の間でも、日本人のパワースポット・ブームが話題にのぼることがあるんです。「ここ数年、日本人観光客がいろんなところを『パワースポット』だといって、回っている」って。マノアの滝もローカルの人々にとっては健康的なトレイルコース。日本人がパワースポットとして訪れるハワイ古代宗教の祭祀場「ヘイアウ」も、多くのロコにとっては歴史的・文化的価値を持つ遺跡でしかありません。
ハワイが長年にわたって、サイキック(霊能者)など多くのスピリチュアル関係者を惹きつけてきたのは本当の話。
「ヤシの木やビーチが美しい島なら世界中に存在する。なのにどうしてハワイだけがこんなにも人々を魅了するのか?どうして人々はパラダイスといえばハワイを思い浮かべるのか?」
ハワイでもよく知られたサイキックの言葉です。
古代ハワイの英知の継承者「カフナ」とも親交の深い彼によると、古代ハワイでは、「小さき生き物は、大いなるものと相似する」と信じられていたとか。例えば、人間の身体に存在する「気」の出入り口といわれる7つのチャクラは、ハワイ主要8島のうちカホオラヴェ島(カホオラウェ島)を除いた7島の相似形であり、ハワイの島々はチャクラそのものである――彼はそう説きます。人々はそれを無意識下で感じ、それがハワイをパラダイスにしているのだと。その説でいくと、ハワイの島々全体がパワースポット。エネルギーのご利益を得るため、特別に「パワースポット」を回らなくてもいいようです・・・って、それでは記事がここで終わってしまいます!
現在多くのガイドブックやオプショナルツアーなどでパワースポットとして紹介されているのは、主に次の4つのようです。
○マノアの滝のように、(それがスピリチュアルパワーかどうかは別として)自然が美しく癒しの効果がありそうな場所。
○ハワイの歴史や伝説上、「聖なる」あるいは「ハワイの神々や王族が関わった」とされる場所や石など。
○古代ハワイ宗教の祭祀場ヘイアウの遺跡。
○サイキック(霊能者)やスピリチュアル関係者が「パワースポットである」と言及した場所。
ハワイナビが2回に分けてお送りする「オアフ島でパワースポット巡り」、前置きが長くなってしまいましたが、今回は<観光ついでのビギナー編>と題して、スピリチュアルに興味のある方もない方も、定番観光スポットを訪れたついでに寄っていけるパワースポットをご案内します。
ワイキキのパワースポット
淡水が混ざるため海水温度はほかの場所より低めです。
カヴェヘヴェヘ Kawehewehe
-ハレクラニ・ホテル前の海-
カヴェヘヴェヘは、ハワイ語で「除去」の意味*。古代、ハワイアンが病いや痛みの治癒を目的とした水浴びを行っていた場所です。このあたりは海底から湧き出る真水(淡水)と海水が混ざるスポット。強いヒーリングパワーがあると信じられていたのです。
*あるハワイの歴史家によると、その意味は「浅瀬礁への抜け穴」ともいわれています。
実はナビもその昔(大昔)、石の上にタオルを掛けた覚えが・・・!
ウィザード・ストーン・オブ・カパエマフ The Wizard Stones of Kapaemahu
-ワイキキ・ポリス・ステーションの隣-
日本語では「ワイキキの魔法石」、ハワイ語では「Na Pohaku Ola Kapaemahu a Kapuni」と呼ばれる4つの石です。
16世紀以前にタヒチの王宮からやってきた4人のカフナ(祈祷師/ヒーラー)によって、マナ(魂、スピリット)が吹き込まれたと伝えられます。19世紀に入ってからも、カラカウア王の妹であるプリンセス・リケリケは、ワイキキの海に入る前、必ず、4つの石にレイと祈りを捧げたといい、その夫、オアフ島知事アーチボルド・クレグホーンは、「石を傷つけたり動かしたりしないように」との遺言を残したとか。
現在おびただしいほどのレイが供えられています。
にも関わらず、その後、これらの石は動かされ、一部を壊されるなどの運命をたどります。
石が再発見、また再認識され、現在の場所に移されたのは1980年代に入ってから。とはいえ何の標識も囲いも無かったため、当時は海水浴客のビーチタオル置き場と化していましたが・・・。1990年代後半に入り、立派な土台とフェンスで保護されました。
○カヴェヘヴェヘ、ウィザード・ストーン、いずれも、ワイキキの中心部であるロイヤル・ハワイアン・センターから徒歩5分以内です。
ダウンタウンのパワースポット
高島礼子と高知東生が結婚式を挙げたのがこの教会。
カ・ヴァイ(ワイ)・ア・ハオ Ka Wai a Hao
-カワイアハオ教会敷地内-
ダウンタウンの、パンチボール・ストリートとサウス・キング・ストリートの交差点に建つハワイ最古のキリスト教会の中に再現された「聖なる湧き水」です。アメリカからキリスト教宣教師たちがやってくる19世紀以前、ホノルルの村の外れの乾いた不毛の地に、そこだけ緑が青々と茂った、湧き水を生み出すスポットがありました。それがカ・ヴァイ・ア・ハオです。
聖なる湧き水のそばにあったとされる石です。
湧き水は聖なる水として、位の高い首長だけが使うことを許され、中でもハオ(Hao)という女性首長*は定期的にこの水をモイリイリにある自宅まで運ばせ、沐浴を行ったとか。カ・ヴァイ・ア・ハオとはハワイ語で「ハオの水」という意味です。
*男性首長という説もあり。
カピオラニとサウス・キングの交差点。こちらにも人工の池が。もしかしてここがオリジナルの場所なんでしょうか?
現在、教会敷地内のサウス・キング・ストリート側にある湧き水は、1926年に造られた人工のものではありますが、中の「KA POHAKU・KA WAI A HAO」とサインがある石は、本来、湧き水があった場所から運ばれてきたもの。
実際に水が湧いていたのは、カワイアハオ教会より少しダイヤモンドヘッド寄りに位置するサウス・キング・ストリートとカピオラニ・ストリートの交差点近くといわれています。
○ワイキキから市バスを利用する場合は、2番バス・13番バス・エクスプレスB番バスを利用して約25分。
ワイキキ寄りの門を入ったすぐ右手のオフィス前です。
カ・ポハク・パエパエ・カプ・オ・リロア Ka Pohaku Paepae Kapu o Liloa
-イオラニ宮殿敷地内-
ウミ・ア・リロア、一般にはウミとして知られるハワイ島14代目の王(大首長)を思い出すよすがとして、カラカウア王が、ハワイ島のワイピオ渓谷にあったヘイアウより運び出させたといわれる長方形の溶岩です。ウミは15世紀のハワイ島で高貴な血族であった首長リロアの息子。ただし母親はリロアの遠い親戚にはあたるものの地位が低かったために、リロアの妻に迎えられることはなく、ウミは父親とは会わないまま、母親と暮らしていました。
石の前にハトの遺骸が!カプに触れてしまったのでしょうか!?
成長したウミは、リロアと会って彼の息子であることを名乗り出るため、首長以外はそれより先へ立ち入ることはカプ(タブー)とされていた石を踏み越えたと伝えられ、それがこの石なのだとか。イオラニ宮殿敷地内のオフィス前、キャプテン・クックの記念碑前に、なんの表示もなく設置されています。
敷地内ワイキキ寄り海側の角にあります。
ポフカイナ Pohukaina
-イオラニ宮殿敷地内-
宮殿敷地内、ダイヤモンドヘッド側のサウス・キング・ストリート沿いにある、フェンスで囲まれた小山(洞穴)がポフカイナです。イオラニ宮殿の敷地はかつて存在したカアハイマウリ・ヘイアウの跡地であり、またこの場所は1865年までは王族が眠る聖なる埋葬地でした。ポフカイナとはハワイ語の「穏やかで静かな場所」を意味します。
「KAPU」(タブー)のサインが。
亡骸は現在、ヌウアヌ渓谷にある王家の霊廟ロイヤル・モザリウムに移されていますが、一部のハワイアンの間では、亡骸はまだこの下に眠っていると――そして仮に亡骸がなかったとしても、王族の強いマナ(魂、スピリット)が宿っていると信じられています。
○ワイキキから市バスを利用する場合は、2番バス・13番バス・エクスプレスB番バスを利用して約25分。
○カワイアハオ教会とイオラニ宮殿はサウス・キング・ストリートを挟んだ斜め向かいです。
ワヒアワのパワースポット
ワヒアワはオアフ島の地理的中心部にあり、距離的に気軽に観光というわけにはいきませんが、クカニロコ・バースストーンはパワースポットとして特に名高い場所。ノースショア観光の通り道として寄ってみてもいいかもしれません。
20世紀に入りオアフ島で最初に「古代ハワイの歴史的遺産」として認識されたスポットです。
クカニロコ・バースストーン Kukaniloko Birthstones
12世紀後半から18世紀の後半まで、首長・王族の、高貴な血統を受け継ぐ妻だけが出産を行う神聖な場所でした。これらの溶岩にはお産の苦しみを和らげ、安産を助けてくれる守り神が宿っていると信じられていたそう。安産祈願、子宝祈願にご利益があるという話も。
この石はオアフ島を、縁の凸凹部分はコオラウやワイアナエ山脈を現わしているといわれます。
実はこのバースストーン、神聖な出産場所だけではないという説があります。
全部で18ある石の配列がポリネシアの島々を現わしており、古代の航海術の訓練所であったとも。オアフ島のほかの重要な場所と整列を成しているとも。石の上に描かれたペトログリフ(絵文字)に投じられる影を利用して太陽観測を行っていた――つまり天文台であったともいわれています。
第2次世界大戦後は参拝客も激変していたとか。
ヒーリング・ストーン Healing Stones
19世紀後半、ワイアルア製糖会社の敷地内にあったこの石を、あるハワイアン男性が「これは神聖な癒しの石だ」と会社側に指摘したことから、クカニロコ・バースストーン側へと運ばれ、その後1927年現在の場所へ移されました。ハワイアン、日系、中国系など人種を問わず、近隣の人々が参拝に訪れ、一時は参拝客目当ての露店が出るほどのにぎわいだったそう。1927年にはひと月で1,000ドルものお布施が集まったと記録されています。
コンクリートで固められてしまったこの石はいまハッピーじゃない・・・ナビも実際に目にしてそう感じました。
1980年代後半よりヒンズー教徒がシヴァ神の現身として崇め始め、インド大理石で美しい囲いを作りましたが、ハワイアンは、「この石は降雨の恵みで癒しのパワーを養うため、自然でオープンな場所になくてはならない」とこの囲いに必ずしも賛成していません。
また、この2つの石は、霊的能力を持つカウアイ島の2姉妹が変化(へんげ)したものだというハワイの伝説もあります。夜更けだけ空を飛ぶことが出来た2姉妹が朝日を浴びてしまい、石に変わってしまったのだとか。
○ワヒアワの町へはワイキキから車で約60分。市バスを利用する場合アラモアナ・センター始発で52番バスに乗り約90分。
○クカニロコとヒーリング・ストーンの間は車で7、8分ほど。
「オアフ島でパワースポット巡り<観光ついでのビギナー編>」、いかがでしたか?
次回は<ディープに行ってみよう編>をお届けしますのでお楽しみに。ハワイナビでした!
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2011-01-13