ハワイにはプライベートビーチは存在しない?!

オアフ島を含めて、ハワイの島々には数々の美しいビーチが存在します。それらのビーチはずべて公共の場(軍の施設や自然保護地区を除く)で誰もが足を踏み入れることができます。ということで、ハワイにはプライベートビーチは存在しないのです。

こんにちは。ハワイナビです。わたしが日本で以前仕事をしていた頃は、1年に数回しかないバケーションを思いつつ、お仕事のモチベーションをあげておりました。特にハワイ好きだったわたしは、ハワイ特集の雑誌などを読みつつ、次の休みの計画を(仕事中に)熱心に練っておりました。

お花の香りのするホノルル空港に降り立って深呼吸をしてみたり、ビーチで真っ白な砂浜に寝転んで読書をしたり、穏やかなエメラルドグリーンの海に体を浮かべてみたりと。。。。
現実逃避をしながら妄想は止まりませんでした(笑)。
こちらに住むようになってからは、東京では経験することの出来なかった海のある生活が始まりました。オアフ島だけでも様々なビーチがあります。ワイキキのように観光客で賑わっているビーチを買い物がてら散策するもよし。ノースショアでサーファーを眺めながらのんびり田舎のハワイ楽しむのもよし。ローカルしか見かけないような人けの少ない静かなビーチで読書をするのもよし。カイルアビーチでアクティブにカヤックをするのもよし。ダイアモンドヘッドの麓のビーチで波に乗るのもよし。ビーチで過ごすといっても色々な過ごし方があるのですね。こんなことも実際生活をしてみて経験して気付いたことでした。

「プライベートビーチ」が無い?!

今日はそんなハワイのビーチについて、お話をしようかと思います。皆さんご存知かどうか分からないのですが、ハワイ州には「プライベートビーチ」というのが存在しません。 ワイキキ周辺のビーチの前にはホテルが立ち並び、誰もがその前にあるビーチを歩けるようになっていますが、ワイキキのエリアを出て島の海沿いを行くと、個人の邸宅やホテルなどがびっしりと並んで完全に囲まれているようなビーチがあります。「おお、ここはプライベートビーチ?」と思いがちですが、そうではないのです。
オーシャンフロントの土地や家はハワイでもとても人気があります。例えば島の東側に位置するオアフ島の中でもっとも美しいといわれているラニカイビーチの前は数億円する邸宅がびっしり並んでいます。その前に続くビーチに足を踏み入れたとき「あれ、ここは人の家の敷地かな?入っていいのかしら?」と思われたことがある方も多々いらっしゃると思います。またワイキキから少し離れた高級住宅街の奥の行き止まりに位置するカハラホテルのように、ビーチの目の前が全てホテルの敷地になっていると、「ここはホテルのプライベートビーチ?もしかして宿泊していないと来てはいけないのかしら?」と思ってしまいます。

海とビーチはみんなのもの

実はハワイ州では、海の前に土地を所有していても、ビーチは私有できないとうことが州法(HRS 11504, 115-5, Revised 2010)で定められています。ざっくりいうと、砂浜の部分(満潮になると海水でかぶる砂浜の部分)までは州内のどこでも公共の場所となります(軍の施設と自然保護地区を除く)。この法律を守らない土地所有者には$2000以下の罰金が課される場合があります。
ということはハワイ州には「プライベートビーチは存在しない」という事になります。これは、「海とビーチはみんなのもの」というハワイの昔からの海に対する考え方が反映されているという事の表れですね。とてもアロハで素敵な考え方だと思いませんか。海はハワイの人々の生活の大切な一部で、みんなに恵みをもたらすものとして共有するという考え方があるからなんですね。

ビーチへの細い道は通り抜け自由

両側がハイビスカスやブーゲンビリアのような南国色の花の咲く木で垣根になっていて、そこに木漏れ日の差し込んでいて、その先にはエメラルドグリーンの海が見えていて、その細道を抜けるとビーチ、というような写真、雑誌のハワイ特集などでよく見かけますよね。
こちらに移り住むまでは「どこに行けばこんな細道があるんだろう」と思っていました。こちらに移り住んでからはこのような細道は、オアフ島のいたるところにあるということを知りました。ワイキキのエリアだと、この細道、ホテルとホテルのような高い建物の間にありますが、あまり風情がないのです。。
ワイキキのエリアを出て、住宅街が続く海岸線に来ると、細道は住宅地の中の個人の邸宅と邸宅の間にあります。これらのほとんどが一見分かりにくく、車で走っていると目にとまらないほど目立たなかったり、見つけることが出来たとしても通り抜けてよいのかわからず躊躇してしまったりします。
これらの細道はもちろん誰もがビーチに抜けるために利用して良い道なのです。
この細道のことを「Public Right Of Way to Beach」もしくは「Beach Right Of Way」といいます。直訳すると「ビーチへの公共通路」でしょうか。参考に看板の写真を載せてみました。ちなみに上についている黄色い看板は緊急時に(警察に通報したときなど)現在地を伝えるための番号です。島の東側に位置するカイルアビーチやラニカイビーチには、この「Public Right Of Way」がいたるところにあります。またカハラホテルや、タートルベイリゾートなど、敷地がすっぽりとビーチを囲んでいるところでも、ビーチは公共の場なので、ホテルの宿泊者ではなくてももちろんビーチを利用することは自由です。残念ながらホテルの所有するビーチチェアなどは使えませんけどね。。

細道を見つけに行こう~カハラ地区

それでは、オアフ島にあるこのような場所のいくつかご紹介しますね。
まずはワイキキからダイアモンドヘッドを抜けると位置するカハラ地区。海岸と平行にはしる「カハラ通り」にはいくつかの「Public Right Of Way」が存在します。
カハラ通り沿いのお屋敷。面白い窓の形が。

カハラ通り沿いのお屋敷。面白い窓の形が。

カハラ通りのストリートビュー

カハラ通りのストリートビュー

ビーチへと続く小道の表示

ビーチへと続く小道の表示

このカハラエリアですと頑張れば自転車でワイキキから来ることのできる距離ですね。こちらのビーチはとっても長く、西はダイヤモンドヘッドの手前から、東はザ・カハラホテル&リゾートまで続いています。お散歩には最適です。ライフガードなどはいませんし、人も少ない静かなビーチですが、遠浅の海で、特に東の端、ザ・カハラホテル&リゾートの前、その手前のカハラコンドミニアムの前はビーチから珊瑚礁までがプールのようになっていて泳ぐのにも最適です。カハラホテルのブレックファーストビュッフェを頂いた後、ワイキキに向かって途中までぶらぶらとお散歩をするのもいいですし、土曜のKCCファーマーズマーケットに来たついでに足を伸ばしで見るのも良いと思います。海ももちろんきれいですが、ため息の出るような大邸宅をお外より拝見するのも楽しみの一つです。ただし、じろじろと覗きすぎて怪しまれないようにしてくださいね(笑)。

細道を見つけに行こう~ウィンドワード地区カイルア

次は島の東側、ウィンドワード地区のカイルアにある「Public Right Of Way」。 こちらまではワイキキからだと車かバスで来る必要がありますね。バスの場合はカイルアタウンで下車してからビーチまで少し歩きますが、ビーチと平行に走っている「カラヘオ通り」を見つけてください。こちらも閑静な住宅街で、ハワイらしい遊び心のあるアートをそれぞれの邸宅に見つけることが出来ます。
カラヘオ通りのサイン

カラヘオ通りのサイン

私道の入り口にあったサイン

私道の入り口にあったサイン

可愛いゲート

可愛いゲート

Aloha

Aloha

ローカルのサーファーが丁度海へ

ローカルのサーファーが丁度海へ

カイルアの海は息をのむほどの美しいエメラルドグリーンです。ハワイナビも初めてカイルアエリアの「Public Right Of Way」を抜けてみたビーチの感動は忘れていません。ビーチはとてもきめ細かい白い砂。足の裏に優しく、思わずビーチサンダルを脱ぎ捨て裸足になり、いつまでも歩いていたい気分になります。ビーチは全長約4.5キロ。端から端まで歩くと結構よい運動になります。このビーチの北の端にオバマ大統領が家族で来る別荘があります。車で来た場合には路上駐車、もしくは2箇所あるビーチパークに駐車することができます。ちなみにそれぞれのパークには簡易シャワー&更衣室とお手洗があります。このビーチは、週末は特に沢山のローカルで賑わいますので、駐車場を確保するには遅くとも午前10時までには現地につくことをお勧めします。5月から9月までは風もお天気も安定し、海が穏やかになるので、カヤックやスタンドアップパドルで遊ぶのに最適です。運がよければ海がめに遭遇することも。
ハワイにはプライベートビーチは存在しない?! ビーチから細道を振り返ると

ビーチから細道を振り返ると

細道を見つけに行こう~ウィンドワード地区ラニカイ

ハワイにはプライベートビーチは存在しない?! ハワイにはプライベートビーチは存在しない?!
そして、最後はカイルアビーチのお隣のラニカイビーチ。カイルアよりさらにビーチの砂が細かくなり、水も透明度が増します。波がとても穏やかなので、お子様連れのご家族にもお勧めですが、日陰がほとんどみつからないビーチなので、長時間過ごされる場合にはパラソルなど持って来られると良いと思います。住宅を挟んで海沿いを走る道は「モクレア通り」といいます。ラニカイビーチへの「Public Right Of Way」には、ビーチ利用上の注意書の看板が立っていました。こちらへのアクセスとしては、カイルアタウンより70番のバスが出ています。まったくの住宅街なので駐車場はありません。路上駐車、またはカイルアビーチパークなどに駐車して徒歩になります。公共のお手洗い、シャワー等もないのであしからず。ビーチの正面にはラ二カイビーチのシンボルになっている双子の島(モクルア島)が見えます。カヤックやスタンドアップパドルで左側の島にいって上陸することも出来ます。カヤックやボードはカイルアビーチパークの近くにあるカイルアセイルボートアンドカヤックで気軽にレンタルできますよ。日本人のスタッフがいます。モクルア島をモチーフにした「ツインアイランド」というローカルサーフブランドもありますよ。

今回ご紹介したビーチはお車でいくと、路上駐車をせざるえない場所もあります。そのような場合これらの看板が立っているところには駐車はできないという看板を参考に載せておきますね。駐車禁止の罰金は痛いので。
私有地 無断進入禁止

私有地 無断進入禁止

路上駐車禁止

路上駐車禁止

私道 通り抜け禁止

私道 通り抜け禁止

それでは皆さん、次回オアフ島にいらした時はワイキキ以外のビーチにも足を伸ばしてみてくださいね。Aloha.

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-09-05

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