無料フラを体験してきました!

無料フラレッスンって、本当はどうなの?

こんにちは、ハワイナビのナビ子です。日本におけるフラ人口はいまや、50万人とも100万人ともいわれています。ふた昔前までは、「フラ」という呼び方ではなくて、「フラダンス」。しかも年配女性の健康維持や病後のリハビリに最適なダンス(!)として知られていたなんて・・・若い方はご存じないかもしれませんね。
<ハワイ旅行の目的が、フラグッズの買い出し、買い付けという人も>

<ハワイ旅行の目的が、フラグッズの買い出し、買い付けという人も>

日本のハラウも出場できるフラの大会や、日本人旅行者も参加できるフラのワークショップなど。昨今は、観光やショッピングよりも、フラを目的にハワイへいらっしゃる方が増えています。

といっても、フラに興味はあるけれど、いまのところ縁がない・・・といった方も、実は少なくないのでは?大都市やその周辺であれば、お教室(ハラウ)も選べますが、地方都市だとそうはいかないという事情もあります。また、習いに行く時間がない、ダンスなんてやったことがない、きっかけがないとなかなか始められない、という方も多いかもしれませんね。「今度のハワイ旅行でぜひ、無料フラレッスンを体験してみたい」という方もいらっしゃるかもしれません。
<ホリデーシーズンのロイヤル・ハワイアン・センター>

<ホリデーシーズンのロイヤル・ハワイアン・センター>

すでにフラを習っていらっしゃる方は、「ハワイへ行ったら、出来るだけ本場のフラに触れたい。だけど無料フラレッスンってどうなの?多少なりとも踊れる場合、参加する価値があるの?」と疑問を抱かれるかもしれません。限られたハワイ滞在、時間は有効に使いたいもの。価値のないレッスンなら、受けずにほかの予定を入れたいですよね。

そこで、ナビ子が取材してまいりました!取材したのは、ワイキキ滞在中の旅行者にとって、一番手近でよく知られた、ロイヤル・ハワイアン・センターで行われるレッスンです。
ここで、基本的なフラ用語として使われるハワイ語をご紹介しておきましょう。

フラ(hula)- 踊り
ハラウ、またはハーラウ(halau)- 学校、教室
クムフラ(kumu hula)- 厳しい修行と正式な卒業セレモニー(ウニキ)を経たフラの師匠
フラ・カヒコ(hula kahiko)- 古典フラ
フラ・アウアナ(hula auana)- 現代フラ、モダンフラ
メレ(mele)- 歌
パウ(pau)- フラ用スカート

<笑顔がバツグンなプアケアラ先生>

<レッスン会場の奥に見える、ザ・ロイヤル・ハワイアンとその庭>

<レッスン会場の奥に見える、ザ・ロイヤル・ハワイアンとその庭>

ロイヤル・ハワイアン・センター1階の中央広場、ロイヤル・グローブで開かれるレッスンは、屋外なので、とにかく開放的。正面奥にある、「太平洋のピンクパレス」、ザ・ロイヤル・ハワイアンとその庭が、ステキな借景となっています。

講師を勤めるのは、ハワイの中でも由緒あるハラウ、「ハラウ・フラ・オ・マイキ」に所属するプアケアラ・マン先生。「ハラウ・フラ・オ・マイキ」は、ハワイアンルネッサンスの母と呼ばれる、Maiki Aiu Lake(故人)によって1946年に設立されました。ハワイアンルネッサンスとは、1970年代に起こった、ハワイの言語や伝統的なハワイの文化、生活のあり方に対する再認識、再評価の流れのことです。「ハラウ・フラ・オ・マイキ」の「オ」は英語でいう「of」。日本語でいう「~の」という所有格。「ハラウ・フラ・オ・マイキ」とは、「Maikiのフラ学校」という意味なのです。
スタート時間10分前の段階では、まだそれほど人が集まっていません。どうもギリギリに来る人が多いようです。ハワイ滞在中は皆さんもすっかり、時間に大らかなハワイアンタイム、でしょうか。

スタート時間を5分ほど過ぎてから、プアケアラ先生の登場です。マイクを持ったプアケアラ先生はまず、フラは主に手の動きで歌詞を表すことなど、フラ自体についての説明を行います。また、レッスン中は、カメラ撮影はOK。ビデオの撮影は禁止であることなど、注意事項を述べます。一部、日本語の通訳が入ります。プアケアラ先生のしゃべり方は姐御っぽい迫力あり。咲き誇るハイビスカスのような、華やかで美しい笑顔が印象的です。

<レッスンの内容は・・・>

1時間のレッスンで1曲を仕上げます。これって結構、忙しい!ナビ子も、日本とハワイ、両方のハラウを経験したことがありますが、どちらも1曲を仕上げる、というか、覚えるところまでいくのに、レッスンまるまる2回というのが普通でしたから・・・。

今日習うのは、『For You』という、ハパハオレソング、またはハッパハオレソングと呼ばれる、歌詞が英語で歌われるハワイアンソングです。ハパ(ハッパ)とは、ハワイ語で「混血」、ハオレとは「白人」。典型的なハワイアンメロディーでありながら、英語で歌われる曲がそう呼ばれます。
<「フォーユー」を表す所作> <「フォーユー」を表す所作>

<「フォーユー」を表す所作>

まずは、フラの基本ステップ、カホロについて簡単に説明があります。ご存知の方も多いと思いますが、カホロとは、4拍子のリズムに合わせて左右に2歩ずつ移動するステップです。このカホロ、腰を移動させるタイミングなど、ハラウによって多少違います。プアケアラ先生のカホロは、腰の動きが足の動きと同時ではなくて、少し遅れるスタイル。本来フラを踊りこなすには、手の振りよりも、ステップが重要です。手の振りはあとからいくらでも修正できますが、正しいステップが身についていなければ、そもそもフラ自体が踊れないのです。

フラの基本の各ステップは、フラを知れば知るほど、奥の深いもの。だから、ここでステップに比重を置いていては、とうてい、1時間のレッスンで1曲終わらせることは出来ません。なので、ステップについてはサラッと流す程度・・・という感じでした。また、参加者の半分以上を占める日本人旅行者のうち、決して少なくない数が、実はフラ初心者ではない、という事情もあってのことかもしれません。レッスンの様子を後ろから見ていても、「日本でフラを習ってるんだな~」と思える日本人の方が少なくとも10人ほど、いらっしゃいました。踊り慣れているだけでなく、習っていらっしゃる方は、皆、靴を脱いで裸足で踊るんですよね。フラは裸足で踊るのが基本。ただ、フラ・アウアナの場合、ショーや大会などで、エレガントな衣装に合わせてパンプスを履いて踊ることもあります。
<「ステップを踏むときに肩が上下しないように」> <「ステップを踏むときに肩が上下しないように」>
<「ステップを踏むときに肩が上下しないように」> <「ステップを踏むときに肩が上下しないように」>

<「ステップを踏むときに肩が上下しないように」>

今度は手の動きです。ハワイアンソングはたいていがそうなのですが、『For You』も、歌詞に、ハワイの風景や情景がたくさん盛り込まれたラブソング。曲中に、「木」「山」「虹」「花」「霧」「太陽」「鳥」「風」「レイ」といった言葉が出てきます。こうした単語に対する手の振りって、決まっています。ハラウや曲によって、若干違うこともありますが、太陽や月、虹ならば、両手を広げてそれぞれの形を作るとか、雨ならば、指先を震わせながら両手を頭上から下げるとか。「フラって手話みたい」といわれるゆえんです。
「こうやって山を表してね」

「こうやって山を表してね」

「これが、木」

「これが、木」

「木が揺れるように」

「木が揺れるように」

「霧を降らせるのよ」

「霧を降らせるのよ」

しかしこれらの所作、日本語でしたら、「『花のように~♪』と歌っているのだから、花を摘むように!」と指示されればすぐにわかりますが、レッスンはすべて英語なので・・・。フラに慣れている方や、ある程度の英語がわかる方以外は、先生の所作を見なければ、なかなかピンとこないかもしれません。そういう意味でも、レッスンに参加なさる場合は、先生の姿がよく見える前方に陣取ることをオススメします。
「これが、風」 「これが、風」

「これが、風」

「首の周りにレイをかけて」

「首の周りにレイをかけて」

「鳥が飛ぶ姿よ」

「鳥が飛ぶ姿よ」

<あっという間の1時間>

プアケアラ先生は、顔の表情も豊かで、とにかく全身を使って所作を教えてくれます。
所作は、ほんの少しの違いでも、その意味するところが違ってしまうことなど、豪快な動作で見せてくれます。
「こうやって両腕を回すと、大波。だけど、こんなふうに荒っぽく回すと、『I am hungry!』(お腹が空いた!)の意味になってしまうのよ!」
「こうやって大波を表すの」 「こうやって大波を表すの」 「こうやって大波を表すの」

「こうやって大波を表すの」

『お腹空いた』じゃなくて『大波』よ!

『お腹空いた』じゃなくて『大波』よ!


数小節ごとに分けて、それぞれのおさらいをしながら、レッスンはどんどん進みます。途中、「それでは、いままで習ったところを観客の皆さんに披露しましょう」と、参加者全員が後ろに向き直って踊る一幕もありました。後ろでは、参加者の皆さんの連れや、野次馬(?)が、レッスンの様子を見守っているのです。
<観客に踊りを披露>

<観客に踊りを披露>

<ついつい踊り始めてしまう観客の姿も>

<ついつい踊り始めてしまう観客の姿も>

<1曲マスター出来ました!>

<1曲マスター出来ました!>

ノンストップの1時間。最後に1曲を通して踊ります。ほとんどの方が、それなりについていっています。パチパチパチ・・・(拍手)。中には、所作の順番が混乱してしまって、「もう、ヤケクソ!」といった感じの方もいましたが。仕方ないと思いますよ~。まったくのフラ初心者には、何しろ覚えることの多い1時間です。

また、日本人には英語という壁もあります。日本語で教われば、すんなり理解して覚えられる振り付けであっても、英語では同じようにはいきません。けれど逆に、レッスンが日本語で行われたり、最初から最後まで日本語の通訳がついていたら、それはそれで、旅情を削いでしまうかもしれません。英語というところが、ハワイで受けるレッスンらしくてイイと、皆さんも思いませんか?

<やっぱり楽しいフラ!>

このレッスンが初めてのフラ、という場合、さっそくフラの楽しさに目覚める方もいらっしゃるでしょうし、そこまで辿り着かない方もいらっしゃるでしょう。そうだとしても、せっかくの、気軽に本場のフラに触れることの出来るチャンスです。参加なされば、次にフラを観る機会があったとき、「あ、あの所作は、私があのときハワイで習ったのと同じだ!」と、嬉しい感想を持つはずですよ。また、何といっても、ハワイらしい解放感にあふれた場所で、ハワイアンミュージックに合わせて身体を動かすのは気持ちがいいもの。フラやダンスに興味がない方も、ラジオ体操のようなものだと思って参加してみるのもいいかもしれません!?
<毎回参加なさっているというローカルのおばあちゃま> <毎回参加なさっているというローカルのおばあちゃま>

<毎回参加なさっているというローカルのおばあちゃま>

参加者の中には、チラホラと男性の姿も見受けられました。ただし・・・外国人男性ばかりなんですよね~。日本人男性は、妻や彼女が踊る姿を、眺めているか、カメラに写しているだけ。カモ~ン!それも悪くないですが、奥さんや彼女と並んで一緒に踊るのも、いい思い出になると、ナビ子は思いますヨ。
<右の男性はお嬢ちゃんと父娘で参加>

<右の男性はお嬢ちゃんと父娘で参加>

<ジャパニーズボーイズ!彼女を激写するだけじゃなく参加しましょう!>

<ジャパニーズボーイズ!彼女を激写するだけじゃなく参加しましょう!>

フラ経験者の方で、例えば、過去に何度もハワイの先生(クムフラ)のワークショップに参加していたり、ハワイで開催されるフラ大会の出場メンバーに選ばれるような上級者は、参加する必要はないでしょう。やはり、初心者向けという名目のレッスンですから。
<笑顔がステキなプアケアラ先生>

<笑顔がステキなプアケアラ先生>

けれど、フラを習い始めて2、3年とか、これまでハワイの先生から直接教わったことがないという方は、充分参加する価値があると思います。プアケアラ先生の美しい所作は見ていて勉強になりますし、ハワイで踊るフラは、それが無料フラレッスンの場であっても、やはり格別です。

ただ、ハラウによっては、そのハラウ以外でフラを習うのを禁じている場合もあります。ハラウにも流派のようなものや、独自のスタイルがありますから。日本でハラウに所属している方は、参加しても良いか、ご自分の先生に確認なさったほうがいいかもしれません。
<ビルの谷間に挟まれて遠くに見える山。「あれが歌に出てきた山よ」と先生。

<ビルの谷間に挟まれて遠くに見える山。「あれが歌に出てきた山よ」と先生。

せっかく習った曲を忘れたくない!という方は、レッスン終了後に販売されるCDを忘れずに買って帰って下さいね。また、振り付けもすぐに書き留めておいたほうがいいですよ~。人間って、忘れやすい生きものです・・・トホホ。それでは。Have fun dancing!

ロイヤル・ハワイアン・センター 無料フラレッスン
日時:火曜日 11:00 ~ 12:00
   木曜日 16:00 ~ 17:00
場所:1階中央広場 ロイヤル・グローブ
(2009年12月現在)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-12-09

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