■ハワイ、旅のトラブル

比較的安全、でも日本人観光客が巻き込まれるケースも。

青い空、白い雲、青い海にアロハ・スピリット・・・そんなハワイでトラブルなんて!?考えられないし、考えたくもないですよね。全米でもハワイは比較的安全な州です。アメリカの出版社が発行する『2008年~2009年 全米犯罪都市ランキング』では、犯罪発生率が一番少ない都市はホノルル市という調査結果が出ています。社会には日系移民が浸透させてきた日本の文化や言葉が根付いており、日本人にとっても非常に馴染みやすいアメリカです。

そんなハワイでも、当然、犯罪は起こっていますし、日本人観光客が巻き込まれるケースも、残念ながら少なくありません。
次に挙げるのは、外務省海外安全センターが発表している、近年のハワイにおける日本人の犯罪被害例です。
○ ホテルのロビー、レストラン、ビーチおよびゴルフ場での置き引き被害。
○ 空港到着後、ツアーの集合場所で待っている間や、荷物をレンタカーに積み込んでいる際の手荷物の置き引き被害。
○ レンタカーの座席に置いていた貴重品等の車上狙い被害。
○ 観光名所や大型ショッピングセンターでのひったくり被害。
○ ホテルの自室に入る際の押し込み強盗被害。
○ 女性がホテルのドアの外からノックするので扉を開けたところ、背後にいた共犯者(複数の男)に室内に乱入された強盗被害。
○ 知り合った男に無理やり強い酒を飲まされ、泥酔して意識を失ってしまったあとのレイプ被害。
○ 日本人女性観光客を狙った寸借詐欺、強盗等。
(犯人は日本語を話す場合が多く、ある程度心理的親近関係を築いたあとに犯行に及ぶというのが典型例)
○ 航空機搭乗に際し預け入れたスーツケースに入れていた貴重品の盗難被害。(日本の自宅に帰るまで気づかず)
* その後、ホノルル国際空港に勤務していた運輸安全局の預託荷物検査担当職員数名が窃盗を繰り返していたことが判明しました。

いずれも、多少の警戒心を持って状況を判断したり、貴重品は身体から離さないといった基本的な注意事項を守っていれば、あるいは防げたかもしれない犯罪被害ではないでしょうか?(いくら気をつけていても、被害に遭ってしまうこともありますが・・・)

<レンタカーの車上狙いに注意>

リピーターでハワイ慣れしていても、やはり注意は怠らないで下さいね。
この先のパーキングで知り合い一家が車上荒らしに遭いました。

この先のパーキングで知り合い一家が車上荒らしに遭いました。

ロサンゼルスからハワイへバケーションにやってきた知り合い一家が、カイルア・ビーチのパーキングで車上荒らしの被害に遭いました。妻はアメリカ育ちの日本人。夫はロサンゼルス生まれ・育ちの日系アメリカ人。ハワイを訪れるのは4度目。ティーンエイジャーの子供たち2人を連れて、カイルア・ビーチへ繰り出したのは、夏休み中の平日の午後のことでした。レンタカーを停めた場所が、パーキングの隅のほう。しかも子供の1人がニンテンドーDSを後部座席に投げ出したまま、車を離れてしまったのです。ビーチから戻ると、窓が割られて、車内のめぼしいものが全てなくなっていました。カイルア・ビーチは比較的安全だと思われているのですが・・・。あるいはプロの仕業ではなく、ニンテンドーDSが目についたための出来心かもしれません。車上荒らしのプロは、窓を割ることなく、カギをこじ開けた形跡も残さず、車内に侵入できるともいわれます。

車を離れる際は、外から見える場所に、多少なりとも金銭的価値がありそうなものを置かないようにして下さい。日本人の感覚からすると、「あんなものを盗んだってしょうがない」といったような安価なものでも、注意が必要です。また、日本語のガイドブックなども見えないようにしておいたほうが良いでしょう。日本のレンタカーの大半のナンバープレートが「わ」になっているように、ハワイの場合、ナンバープレートからレンタカーであるかどうか判別できるわけではありません。しかしある人にいわせると、「レンタカーの車体には、バーコードシールが貼ってあるから、見る人が見ればレンタカーだとわかってしまう」のだとか。
車内に貴重品を置いたままにしないで。 車内に貴重品を置いたままにしないで。

車内に貴重品を置いたままにしないで。

荷物を置き去りにして泳ぐのは・・・危ないです。

荷物を置き去りにして泳ぐのは・・・危ないです。

地元紙の個人広告欄にも、定期的に、「サンセット・ビーチのパーキングに停めていたレンタカーの車内からデジタルカメラが盗まれました。デジタルカメラは差し上げますので、たくさんの思い出の写真が詰まったメモリーカードだけ返して下さい。メモリーカードを見つけて下さった方には何の質問もいたしません。また、謝礼を差し上げます」といった類の広告が掲載されます。

<犯罪の起きやすい場所>

カラカウア通りでは、消防車、救急車、ポリスカーをちょくちょく見かけます。

カラカウア通りでは、消防車、救急車、ポリスカーをちょくちょく見かけます。

窃盗については、観光客が集中するワイキキ、またホノルル市内のショッピングモール、ハナウマ湾やノースショア、ワイマナロのビーチ周辺、アウトレット、ゴルフ場などで日常的に発生しています。

殺人や強盗などの凶悪犯罪は、夜間のダウンタウンやアラワイ運河沿い、郊外の一部の地域での発生率が高いとされています。夜間は人気のない場所へは足を踏み入れないことを心掛けて下さい。

<車の運転をする際は>

ハワイ全島の交通量は、年々、増加しています。フリーウェイ、あるいは一般道路での追突事故も頻繁に起こっています。日本人旅行者が事故に巻き込まれるだけでなく、事故の加害者になってしまうケースも少なくありません。
交通量の多いカラカウア通り。小さいお子さんの手はつないであげて下さい。

交通量の多いカラカウア通り。小さいお子さんの手はつないであげて下さい。

2009年のゴールデンウィーク中に、カイルアへ向かっていた日本人観光客の運転していたレンタカー(バン)が、カイルア・ロード上で、ハーレーダビッドソンに乗ってツーリングを楽しんでいた地元の男性2名と衝突し、男性のうち1名は死亡、1名は重体(当時の報道)という惨事を引き起こしてしまいました。バンが右側から左側のレーンへ移り、Uターンしようとした際、左側のレーンを走っていたバイクと衝突したのです。ハワイ在住の日本人は、「日本と違う右側通行だから、勘違いしてしまったに違いない。気の毒に」と、噂しました。また、日頃から日本人観光客の、ハワイの道路に不慣れな運転を快く思っていないローカルの人々は、厳しいコメントを寄せていました。バンに乗っていたのは子供2人を乗せていた日本人家族でした。

例えば、特別な標識がある場合を除いて、基本的に、赤信号での右折や、一方通行道路から一方通行道路への左折OKといった、ハワイの基本的な交通ルールを知らないまま、気軽に運転している日本人旅行者も多くいますが・・・出来れば前もって、ガイドブック、レンタカー会社のホームページや小冊子等で、交通ルールを確認しておきたいものです。英語が苦手な方も、英語の道路標識は、必ず理解できるようにして下さい。命が失われてから、レンタカーの対人補償では足りない莫大な損害補償額を背負って人生を狂わせてからでは遅いのですから・・・。

○ 車内に5分以上、9歳以下の子供を置き去りにすること、また、4歳以下の子供を13歳以上の付き添いなしで置き去りにすることは、違法です。
○ 前部座席はシートベルト着用。後部座席も18歳未満は着用。
○ ハワイ州は、助手席に座れるのは12歳以上で、身長が4フィート(約122cm)、体重が80ポンド(約36.3kg)の場合、と定めています。ただし18歳未満は後部座席を勧めています。


<貴重品が盗まれた!>

現金やクレジットカード、トラベラーズチェック、パスポートや航空券等を失くした場合や盗まれた場合は、ますは警察に届け出て下さい。ワイキキには「KOBAN」と呼ばれ親しまれている派出所があります。

日本人観光客の盗難被害に慣れている警察は、ポリスレポート(盗難・紛失証明書)を作成してくれるだけで、調査もしてくれませんし、はじめから「戻ってくるはずない」という態度です。が、あるいは見つからないとも限りませんし、また、トラベラーズチェックの発行会社、在ホノルル日本国総領事館などへの各申請に、このポリスレポートが必要となります。

なお、カードを紛失した際は、カード会社の24時間日本語対応の緊急窓口に連絡すれば大丈夫。緊急カード再発行のほか、緊急キャッシュデリバリー、カードの緊急停止を行っている会社もあるので、相談してみましょう。 万が一カードが第三者に不正に利用されても、本人に明らかな過失がある場合を除いて(カード裏面に名前を記載していない、暗証番号をカード券面にメモしているなど、)、請求は取り消され、不正請求分は補償されます。万が一の場合に備えて、緊急窓口の電話番号は出発前に必ず確認していきましょう。
<海外でのカード紛失時緊急番号(24時間日本語対応)>
Visa 1-866-765-9644 (海外からの通話専用。固定電話からは通話料無料)
ワイキキ派出所。

ワイキキ派出所。

外観がステキな消防署。

外観がステキな消防署。

ワイキキ派出所(ワイキキポリスステーション)
Waikiki Police Sub-Station
住所 2425 Kalakaua Ave, Honolulu, HI 96815(ハイアットリージェンシー向かいの海側)
電話 (808)529-3801

ホノルル警察署
Honolulu Police Department
住所 801 S. Beretania St, Honolulu, HI 96813
電話 (808) 529-3111

警察・救急車・消防車(日本の110番と119番に該当) 911

○ 万が一の場合に備えて、クレジットカード会社や、トラベラーズチェックの発行会社のハワイでの連絡先を控えておきましょう。会社によっては即日再発行をしてくれる場合もあります。
○ パスポート、もしくは「帰国のための渡航書」発行の申請は、ヌウアヌ地区にある在ホノルル日本国総領事館へ。

パスポート発行申請に必要なものは
*申請書(総領事館にあり)- 1通
*戸籍謄(抄)本 - 6カ月以内に発行されたもの1通
*写真 - 1葉
*ポリスレポート番号
*手数料 - 受領時に現金で。2009年12月現在、12歳以上の大人の10年用が155ドル。5年用が107ドル。12歳未満の子供の5年用パスポートは58ドル。
☆申請日の翌日から起算して5開館日以降に交付。

「帰国のための渡航書」発行申請に必要なものは

*申請書(総領事館にあり)- 1通
*紛失届出書(総領事館にあり)- 1通
*写真 - 同じものを2葉
*日本の国籍を確認できる書類(戸籍謄本・抄本)、本籍地の記載されている日本の運転免許証、もしくは証人(日本国籍の確認できる書類を持参できる人)
*ポリスレポート番号
*手数料 - 受領時に現金で。2009年12月現在、1通につき24ドル。
☆「帰国のための渡航書」は、パスポートを申請する時間がなく、緊急に日本へ帰国する必要がある場合、帰国時1回限りにつき有効なもの。即日交付。
☆手数料は為替の影響で変動するため、2010年4月以降は変更の予定。

在ホノルル日本国総領事館

Consulate General of Japan in Honolulu
住所 1742 Nuuanu Avenue, Honolulu, HI 96817
電話 (808) 543-3111

○ 航空券の盗難については、ツアー会社か航空券を手配した旅行会社、航空会社へ連絡を。ほとんどの場合、航空券を再購入することになってしまいます。後日、不正使用がなければ、航空会社によっては、料金が払い戻しになるケースもあるようです。

<病気・ケガ>

日本語で治療が受けられる医療機関をいくつかご紹介しましょう。

*ドクターオンコール(Doctors On Call)
ハワイ大手の医療機関の1つ、ストラウブ総合病院が運営している緊急医療サービスです。日英両語のバイリンガルスタッフが24時間待機。また、24時間無料送迎サービスを行っています。海外旅行保険指定クリニックになっています。

シェラトン・プリンセス・カイウラニホテル1階(120 Kaiulani Avenue, Honolulu, HI 96815)
24時間日本語専用ライン (808) 923-9966
年中無休・24時間診療

ほかに

*ワイキキ医療クリニック 日本語OK (808) 924-3399
*上野メディカルクリニック 24時間日本語専用ライン (808)926-9911
*ホノルル歯科医院(ホノルルデンタルクリニック)日本語OK (808)947-6608
*サカモトアイクリニック(眼科)日本語OK (808) 944-9911
*サエグサクリニック(小児科)日本語OK (808) 946-0990

などもあります。

救急車も有料です。

救急車も有料です。

アメリカ国内で入院治療を受けたものの、保険に加入していなかったために、その後の莫大な治療費の支払いに苦しむ日本人旅行者の存在については、あまり知られていません。盲腸の手術でも入院費用込みで約200万。さらに複雑な手術になった場合、あっという間に1000万、2000万です。短い滞在中にまさか病気やケガなんてあり得ないと誰もが思いがちですが、海外旅行保険の加入について、よく検討してみて下さい。クレジットカード付帯の海外旅行保険についても、内容をよく確認しておくと良いでしょう。

最後になりますが、軽い気持ちで子供の頭を叩いたり、派手な夫婦喧嘩をしたところ、警察に通報されて、虐待ということで逮捕に至ってしまう・・・というケースが実際にあります。例え当事者双方が「虐待ではない」と説明しても、加害者と見なされた一方はそのまま逮捕されてしまいます。くれぐれも気をつけて下さいね。

Have a safe trip!

水難事故の多いハワイ。海の状態には気をつけて下さいね。 水難事故の多いハワイ。海の状態には気をつけて下さいね。

水難事故の多いハワイ。海の状態には気をつけて下さいね。

ビーチでの心強い存在、ライフガード。 ビーチでの心強い存在、ライフガード。

ビーチでの心強い存在、ライフガード。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-12-01

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