オバマ大統領によって国定史跡となることが決まり、あらためてその存在がクローズアップされているホノウリウリ収容所跡地を訪れる機会がありました。現在は企業の所有地内であり、一般公開はされていません。ナビはとある機会にお邪魔することができました。
人々の記憶から忘れられていたホノウリウリ収容所にスポットライトが当てられたのは、映画『シンドラーのリスト』がきっかけ。公開当時、ハワイの地元テレビ局が、「ハワイにも強制収容所があった」とする特集を組もうとしたものの、その在り場所すらわからない。そこでハワイにおける日系の文化や歴史を保存し伝えている「ハワイ日本文化センター」にホノウリウリについて尋ねたのです。ところがハワイ日本文化センターでも何ひとつわからなかった・・・。
そこでハワイ日本文化センターが調査を開始。当時収容所を指揮していた軍関係者と一緒に探したものの、あれから約70年。あたりの様子も変わっており、その場所は一向にわからなかったとか。最終的に地元農家の方の、「あそこだよ」というひと言で確認できたそうです。そしてその決め手はこの石垣。
収容所の施設は収容された日系人自らが作らされました。この石垣もそのひとつ。日本式の作り方をした石垣でした。
こちらは食堂があった場所だとか。アメリカ本土と違い、ハワイでは日系人の数が多過ぎたため、日系社会のリーダー的な人物だけが収容されました。その数は1,200~1,500。約100名の敵国ドイツやイタリアの囚人も収容されていたそう。あまりの暑さに「地獄谷」と呼ばれていたホノウリウリ・・・。
現在はまだ整備も行われておらず、あたりは相変わらず雑草が伸び放題の荒れたまま。当時の建物などは一切残っていません。この地が国立歴史公園として一般公開の日を迎えるまでには、まだまだ長い年月がかかりそうです。その日が少しでも早くやってくるように。そして戦争のない世界がいつか実現するように祈りつつ。
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記事登録日:2016-08-15