砂糖キビ、プランテーションの集落を再現。当時のハワイにタイムトリップ!
こんにちは、ハワイナビです。ハワイといえば砂糖キビ。そんなわけで今日はオアフの西側、ワイパフにあるハワイズ・プランテーション・ビレッジを紹介します。ここでは、ハワイの砂糖キビ産業の全盛期の頃にプランテーション内で働いていたさまざまな国の生活様式を、それぞれの住居に再現しています。建物内には当時を彷彿とさせる家具や寝具、遊具、宗教関連の備品などがあり、それぞれにお国柄がよく出ていて、なかなか興味深いものです。
まずはインフォメーション・センターへ
まず、敷地内にあるインフォメーション・センターへ行ってみましょう。ここで、日本語ガイドさんが農園時代の歴史からその流れまで、資料の一つひとつを詳しく解説してくれます。ガイドさんの話を聞いていると、ハワイの砂糖キビ農園時代の生活が目に浮かんでくるようです・・・。
インフォメーション・センターでは、ハワイのフルーツの試食もできます。ザボンやパッションフルーツ、グアバなどはすでにお馴染みかもしれませんが、その他にもハワイならではのユニークなフルーツがたくさんあるので、ぜひ試食してみましょう。また、外にはマカデミア・ナッツの木があって、それも試食できます。ツアーで来てる人たちが、木の下で背中をまるめて一生懸命に殻を割って食べているのがおかしい~(笑)。
さて、それじゃあ、住居を見てまわりましょう!日本人のガイドさんが、詳しく丁寧に解説してくれます。今回のガイドさんは若いおねえさんでしたが、プランテーションの歴史にすごく詳しい人でした。それではみなさんもご一緒に~!
プランテーション・ビレッジ、まずは中国から
1800年代後半、ハワイ原住民は外国人がもたらした伝染病などで急激に人口が減少。一方でアメリカではゴールドラッシュや南北戦争を契機に砂糖の需要が高まってきたため、プランテーションの経営者はその労働力を外国から求めたそうです。当初ハワイは独立した王国で、まだアメリカには併合されていませんでした。
最初にプランテーションに連れてこられたのは中国人。それは、彼らには砂糖精製の知識と技術があったからだそうです。中国からの労働者はほとんどが男性で、彼らの一部は契約労働を終えるとハワイ人の女性と結婚し、ハワイに残りました。
ポルトガル人の家
ポルトガル人労働者と呼ばれた人々はポルトガル本国からではなく、アゾレス諸島などのポルトガルの植民地からの人たち。彼らは永住を前提にハワイへやって来て、しばらくすると現場責任者の地位に就きました。白人だったため、東洋人よりもいい仕事に就けたということです。
プエルトリコ人の家
プエルトリコ人はポルトガル人と同じように、移民を目的として家族単位でハワイへやって来て、そのまま移住しました。ラテン系ということもあり、家には楽器類も多く、少しでも楽しく生活しようという意思が感じられます。当時では珍しい、コーヒーのミルもありました。
日本人の家
日本からの労働者は独身男性が多かったため、プランテーションで働く男たちのために、ピクチャー・ブライドと呼ばれる見合い結婚が行われたそうです。会ったこともなく、一枚の写真だけで結婚を決めてしまうなんてすごい覚悟ですよね。その写真も、若い頃の写真だったり、他人の写真を使ったりする人もいたそうです。まるで結婚詐欺?!(笑)
そして、沖縄の人達は日本人とは別の集団で、家も日本人とは別でした。この区別はどちらが一方的というわけじゃなく、お互いに距離を取り合っていたようです。
韓国人の家
韓国人の4割はキリスト教信者でした。当時の韓国では思想の自由がなかったために、ハワイで宗教の自由を得ようと考えた人達がやってきました。また赤ちゃんがどれを初めに選ぶかで将来を占う縁起かつぎのような行事も盛んだったようで、それらも再現されています。
フィリピン人の家
フィリピン人の家は、かなり洋風でクリスチャンな佇まいを残しています。また移民を目的として家族で移住してきた人達が多かったため、台所なども家族向けに作られています。オーブンやバスルームにも進化が見られます。
マネージャーの家
そしてプランテーションでは、敷地全体を見下ろす一番の高地にマネージャーの家がありました。威厳を守りたかったマネージャーたちは、労働者と親しくなることはなかったそうです。そして労働者の住宅は、新しい移民が来るたびに次々と国別にブロックが増えていきました。自分たちの文化を大事にしようという意識が高まっていく中で他の国の文化もうまく取り入れ、そしてハワイ独自の文化が作られていきました。
お店、風呂、床屋・・・
敷地内には公衆浴場や集会場、医療施設などもあります。小さな商店もあり、つけ払いで購入し、給与から天引きされるという仕組みを作って労働者が農園内ですべて賄えるようになっていました。
病院の存在は貴重でしたが、プランテーション側がお医者さんに給料を払うのを惜しんで、労働者の給料を少し減らしてそれを医者の給料に回したこともあったそうです。
神社もあります。実はここの入り口に狛犬の石碑があったそうなんですが、ある日盗まれちゃったんだそうです。誰が盗んだのか知りませんが、バチが当たりますよ!!(怒)
想いを当時に馳せて・・・
ハワイ原住民の家
ガイドさんの説明を聞いていて、今のハワイの文化や人種のそれぞれの成り行きが納得できたというか、なるべくして今のハワイがあるんだなぁ、という実感をもち、ハワイが前よりも理解できたような気がします。ガイド・ツアーは約1時間半ですが、内容の濃いツアーだし、ハワイを知るいい機会になるので、みなさんも是非チャンスがあったら行ってみてくださいね。・・・以上、ハワイナビでした~。