イオラニ宮殿

イオラニ・パレスIolani Palace

閉店・移転、情報の修正などの報告

19世紀にハワイ王国を統治した君主の旧公邸。ハワイ王朝の栄華と悲劇の舞台となったアメリカ合衆国で唯一の宮殿である。

アロハ~!ハワイナビです。今回はハワイ王朝の栄華と悲劇のストーリーを探りつつ、ダウンタウンにあるイオラニ宮殿を訪問してきました。取材時はクリスマス前ということもあり、宮殿の周りは控えめながら、赤、グリーン、白のランプで飾られていました。
美しい外観からは想像もできないような悲しいストーリーをもつイオラニ宮殿。イオラニとはハワイ語で「天国の鷹」の意味

美しい外観からは想像もできないような悲しいストーリーをもつイオラニ宮殿。イオラニとはハワイ語で「天国の鷹」の意味


史跡・名跡が集まるダウンタウン。ハワイ王国を建国したカメハメハ大王像の正面に建つイオラニ宮殿は、アメリカに存在する唯一の宮殿です。
1882年にハワイ王朝7代目であるカラカウア王によって建設されました。1893年には白人が起こしたクーデターにより、8代目となるリリウオカラニ女王(カラカウアの妹)の王位が剥奪されてしまい、その後、王国が崩壊するまでの11年間は政府の公邸として使用されました。
宮殿はヨーロッパなどの宮殿にくらべるとこじんまりとしていますが、なかをあるいてみて驚かされたのは、電気系統の設備や水洗トイレなど、今は当たり前でも、当時の設備としては最先端の技術を取り入れたハイテク建築であったことです。

宮殿内の見学ツアーに行こう!

シャンデリアにワインレッドの絨毯やカーテン、金の調度品で飾られた「王座の間」。ここでは舞踏会が行われていました。(写真提供:ハワイ州観光局)

シャンデリアにワインレッドの絨毯やカーテン、金の調度品で飾られた「王座の間」。ここでは舞踏会が行われていました。(写真提供:ハワイ州観光局)

ここイオラニ宮殿には中まで入ることができる見学ツアーがあるのをご存知ですか?
現在こちらはガイドと一緒に回るグランドツアー(英語、日本語)、自分で回るオーディオツアー(日本語)の見学ツアー参加でのみとなっています。
日本語ガイドつきのグランドツアーは、1日1回おこなわれ、一回のツアーの定員が20人と少人数制なので、ツアー参加ご希望の方は、ハワイに到着したら即予約をされたほうが良いでしょう。
王冠や勲章、宝石などの展示品が並ぶ地下ギャラリーは、一般の見学者がいつでも自由に入場することができますよ!
地下階に置かれた王冠などはいつでも見学できます。入場料金は以下の記事を参考にしてくださいね。
チケット売り場は敷地内のバラックにて!購入時は以外に込んでいるのでツアー開始時間までに余裕を持って到着しよう。 チケット売り場は敷地内のバラックにて!購入時は以外に込んでいるのでツアー開始時間までに余裕を持って到着しよう。 チケット売り場は敷地内のバラックにて!購入時は以外に込んでいるのでツアー開始時間までに余裕を持って到着しよう。

チケット売り場は敷地内のバラックにて!購入時は以外に込んでいるのでツアー開始時間までに余裕を持って到着しよう。

グランドツアーの予約は電話か(808-522-0832 英語・録音音声)、または、敷地内の少し離れた場所にある旧宮殿兵舎、イオラニ・バラックスにあるチケットオフィス(月~土曜8時30分~16時)にて受け付けています。
オーディオツアー、地下ギャラリーのチケットもこちらで購入できます。
グランドツアー、オーディオツアーの参加は5歳から、地下ギャラリー見学は、5歳未満も入場可能です。
※メモ: 季節により開館時間が変更になり場合もあります。事前にイオラニ宮殿のウェブサイトで確認することをおすすめします。

各ツアーの内容

■グランドツアー(要予約)
宮殿の1・2階をガイドと回った後、地下ギャラリーを見学。ガイドツアーは1時間立ちっぱなしになるので、お子さま連れはご注意ください。当日はスタートの15分前までにチケットオフィスでチェックインをすませること。

日本語ガイドツアー:月~土曜11時30分
料金:大人21.75ドル、5~12歳6ドル 5歳未満入場不可

英語ガイドツアー:火・水・木曜9~10時、金・土曜9時~11時15分の間、15分おきにスタート。

■オーディオツアー(セルフガイドツアー・予約不要)
デジタルオーディオに収められた日本語解説を聞きながら、1・2階を見学(約45分)。その後、地下ギャラリーを見学します。
スケジュール:月曜9~16時、火・水・木曜10時30分~16時、金・土曜12~16時の間、10分おきにスタート。
料金:大人14.75ドル、5~12歳6ドル 5歳未満入場不可

■地下ギャラリー(予約不要)
厨房、食器室、執事やメイド、掃除係など宮殿で働く人々の部屋を再現した地下部分を時間制限なく見学できます。鳥の羽で作ったマントや、王冠、勲章、宝石などハワイ王朝ゆかりの品々や、ハワイ最古となる水洗トイレも展示されています。
スケジュール:開館 月~土曜9時30分~16時
料金:大人7ドル、5~12歳3ドル、5才未満無料
宮殿内部へは裏の入口から。大きな荷物はチケット売り場近くのロッカーに預けます。

宮殿内部へは裏の入口から。大きな荷物はチケット売り場近くのロッカーに預けます。

先生の引率で社会科見学に来ていた地元の小学生たち

先生の引率で社会科見学に来ていた地元の小学生たち

グランドツアー、オーディオツアーともに、スタートは宮殿裏玄関からとなります。館内での諸注意事項を聞いた後、館内の床を傷つけないよう布製の靴カバーをつけて中に入ります。
グランドツアーのガイドを務めるのは、すべてボランティアの方たちだそうです。解説のマニュアルはなく、みなさん自分の言葉で宮殿の歴史を伝えてくれます。2012年9月からは館内の写真撮影が可能になりました。ただし、フラッシュ撮影、望遠レンズを使った撮影、ビデオ撮影は禁止となっていますのでご了承ください。

まるで映画タイタニックの世界!華やかな時代へタイムトリップ

晩餐会のための陶器や銀食器、グラスなどがセッティングされた「正餐室」(写真提供:ハワイ州観光局)

晩餐会のための陶器や銀食器、グラスなどがセッティングされた「正餐室」(写真提供:ハワイ州観光局)

宮殿の裏玄関に入ると、そこはまるで時間がタイムトリップしたかのような「グランドホール」。宮殿の3階部分を吹き抜けにして造られた明るい空間で、左手には、重厚な絨毯やカーテン、金の調度品で飾られた「王座の間」があります。
壁には、ハワイ王朝歴代の10人の王と女王の肖像画が掛けられています。ここでは、メリー・モナーク(陽気な王)と別名もあり、大変音楽好きでもあったカラカウア王が盛大な舞踏会や晩餐会などを行い、その宴は朝まで続けられたといいます。
カラカウア王とリリウオカラニ女王の肖像画が掛けられた「青の間」(写真提供:ハワイ州観光局)

カラカウア王とリリウオカラニ女王の肖像画が掛けられた「青の間」(写真提供:ハワイ州観光局)

また、ホール右手には、来客をもてなしたり、公式行事に使われた「正餐室」があり、地下の厨房から料理を運ぶためのエレベーターも設置されています。正餐室隣は、小さな歓迎会や音楽会などで利用した「青の間」。
どの広間にも豪華なシャンデリアが設置されているのは、当時電気が発明されて間もない頃に、宮殿内に電気設備が即導入されたことを表しています。各広間には、明治時代の日本をはじめ、世界各国から贈られた調度品、美術品も飾られており、王室の華やかな暮らしをうかがうことができます。
2階は、王室のプライベートなフロアとなっています。山側にホノルル最古の電話がとりつけられたカラカウア王の執務室と寝室。海側には、楽器の演奏や作曲などを楽しんだ音楽室「黄金の間」、そして、ダイヤモンドヘッド側には王の妻であるカピオラニ王妃の寝室があります。しかし、その一方でハワイ王朝最後の女王・リリウオカラニが幽閉された寝室もあるのです。

王朝の悲しい結末をも見届けたイオラニ宮殿

発布されなかった新憲法が左手に握られたリリウオカラニ像 発布されなかった新憲法が左手に握られたリリウオカラニ像

発布されなかった新憲法が左手に握られたリリウオカラニ像

王女が作った歌「アロハ・オエ」の楽譜

王女が作った歌「アロハ・オエ」の楽譜

カラカウア王の時代には、政府閣僚のほとんどが白人で構成され、ハワイ王朝も末期を迎えていました。1891年に王が病死し、その妹・リリウオカラニに王位が継承されると、王権を回復するための新憲法の発布を計画されました。ところが、1893年1月、これを阻止しようと白人たちがクーデターをおこし、結果的が王国崩壊の引き金となり、勢いに乗った白人勢力は新政府を設立したのです。
王女が晩年をすごしたワシントンプレイス

王女が晩年をすごしたワシントンプレイス

ハワイ王朝の崩壊後、宮殿内にあった家具や調度品、絨毯、カーテンはすべて処分され、1969年までの約75年間、行政部の事務所として使用されました。その後、長い修復工事を経て、1978年に歴史博物館として一般公開されるようになりました。当時処分されてしまった調度品等は少しずつ買い戻されているものの、現在戻ってきたのはその中のたったの4割ほどなのだそうです。

宮殿内だけではない!見逃せないポイント

宮殿の敷地内には、カラカウア王の戴冠式が行われたコロネーションスタンドや王室の旧霊廟、近衛隊の本部だった石造りの兵舎、そして、宮殿山側と州政庁の間にはリリウオカラニ女王の銅像がたっています。これらはいつでも自由に見学することができます。
門扉にある王国紋章には、カメハメハ三世の言葉「大地の生命は、正義によって守られる」という意味がハワイ語で刻まれています。
また毎週金曜12~13時には、宮殿内の芝生にて1836年にカメハメハ三世によって創設されたハワイ王朝専属の音楽バンド「ロイヤル・ハワイアン・バンド」のコンサートが行われています。こちらもイオラニ宮殿を訪れた際にはお見逃しなく!

いかがでしたか?ハワイにきたらショッピングやマリンスポーツ以外に、訪れたその土地を知ると旅がもっと充実したものになるという意味でも、一度は行くべきところだと思います。

私、ハワイ在住20年になるハワイナビも、改めてハワイ王朝の歴史に触れてみて今までよりもこの土地を身近に感じることができ勉強になりました。みなさんも次回は是非立ち寄ってみてくださいね!

以上、ハワイナビがお伝えしました!
宮殿の周りはものすごく広い芝生の広場。ランチの後に一休みしている人もちらほら。

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敷地内に生息する巨大なバニヤンツリー。記念撮影している人の大きさと比較してみて!!

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イオラニ宮殿のシンボルマークのエンブレムはチケット売り場の売店で購入できます。

イオラニ宮殿のシンボルマークのエンブレムはチケット売り場の売店で購入できます。

記事登録日:2014-12-07

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スポット登録日:2014-12-07

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